お金を貯めるだけではなく、増やすものとして「iDeco」と「NISA」という言葉を耳にして久しいと思います。ですが、いざ始めてみよう!と思っても初心者にとってはなかなかハードルが高いものです。
制度が変更になったり、専門用語が出てきたりして難しいと思われている方も多いはず。
今回はそんな方に向けて、今年制度が拡充したiDeco(個人型確定拠出年金)と、これから変わるNISA(少額投資非課税制度)を活用するにあたって、初心者の方が分かりづらいところや人に聞きづらいところをQ&Aでまとめてみました。
iDecoとNISAを活用する前に、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「iDeco」編

iDecoの特徴
iDecoとは、個人型確定拠出年金のことをいいます。
こちらは将来に向けて毎月掛け金を掛け、自分で年金を作る制度です。
通常は金融商品にかかる運用益は課税対象となりますが、iDecoを利用して運用すると運用益は非課税となります。
さらに、下記件が全額所得控除の対象となり、所得税と住民税の節税効果が得られる点が特徴です。
また、資産を受け取る際にも、「退職所得控除」や「公的年金等控除」の対象となります。

毎月積み立てる形で60歳まで運用します。
投資したお金は、60歳までは引き出すことができないので注意が必要です。
どこの証券会社から始めたらよいのか分からない方や、具体的な始め方が分からない方はコチラで詳しく説明しています。
>>【簡単解説】iDeCoとNISAの違いは?おすすめの証券口座と始め方
Q①: iDecoの運用商品はどのように選べばいいの?
運用商品は金融機関によって14~35本程度あります。
内容は「元本保証型」(定期預金など)と、プロに運用を任せる「投資信託」の2種類があります。
自分で複数の商品を選んで、選んだ商品の割合で運用しますが、一度選んだ商品を持ち続ける必要はなく、途中で内容の変更も可能です。
ここで、初心者の方は大きく足踏みをしてしまい、なかなか手が出せないという事もありますので、これだけ知っていても安心して始めることができますね。
選び方は、最初は投資信託の中でもコストの低いインデックスファンドを中心に選んで、少額でも運用益を出すことを目指しましょう。
加入期間の終わりが見えてきたら、リスク排除のため、「元本保証型」を増やして安定的に運用することがおすすめです。
また、手数料については見逃してしまいやすところ。金融機関によって大きく差があるところなので、必ずチェックするようにしましょう。
Q②: 今はマイホームや子供の教育のお金が優先、iDecoは落ち着いてからでもよい?
始めるタイミングは、思い立ったその日です。というもの、すぐに手続きを始めても実際に運用スタートできるのは約3か月後からです。
住宅資金や教育資金を工面するには、ローンや奨学金などの手段がありますが、老後資金は自分で作るしかありません。
掛金は月5,000円から1,000円単位で設定でき、年に1回変更可能です。
投資は時間が味方です。小額からでもよいのでコツコツと増やすことを考えましょう。
掛け金の全額が所得控除の対象になるので、所得税・住民税が削減できるメリットも見逃せないところです。
Q③: iDecoの受給開始時期が75歳までのびましたが、いつから受け取るのがよい?
公的年金は、受け取りを1カ月遅らせるごとに年間受給額が0.7%増えます。
例えば65歳から受け取ると6万5000円/月の人は、70歳からだと9万2000円/月になるということです。
一方iDecoは原則60歳以降から引き出すことが可能で、2022年4月から最大75歳まで受給開始を伸ばせるようになりました。(※満60歳で引き出すには、10年以上の運用実績が必要です。)
その間運用は非課税でも、口座管理などの手数料がかかり続けます。定年などを迎え定期的な収入がない場合は、iDecoで運用し続けるより受け取りを始めて、公的年金を繰り下げる方法を取った方が合理的だといえます。
Q④: 会社員などは65歳まで加入可能に。60歳からでも入った方がよい?
2022年5月から加入年齢が65歳まで延長されました。
iDecoに加入出来るようになったのは、会社員や公務員、国民年金に60歳以降も任意加入している人です。
例えば60歳で初めて加入した場合は、加入中の税金の削減を期待できますが、運用期間が短いと、その間に選択した投資ファンドの暴落があると、受け取り時にマイナスになっている可能性があります。
iDecoのメリットを享受するためには、ある程度長期間保有することを考えて、少なくとも10年は加入できる期間を確保するほうが良いでしょう。
特にアラフィフ世代なら、今すぐ始めて期間確保に努めるようにしましょう!
「NISA」編


NISAの特徴
NISAは、株式や投資信託などでの運用益が非課税になる制度のことです。
NISAには一般NISAとつみたてNISAの2種類があり、一般NISAは、非課税枠の上限は年間120万円、最長5年間で600万円の運用ができます。
一般NISAは5年間の非課税期間が終了しても、「ロールオーバー」の手続きを行うことにより、さらに5年間非課税で保有することができます。
だたし、ロールオーバーを行った場合、その金額分だけ翌年の非課税枠で運用できる金額が少なくなります。
つみたてNISAの非課税枠の上限は年間40万円、最長20年で800万円の運用ができます。こちらは一般NISAとは異なり「ロールオーバー」の手続きは利用できません。
また、運用商品は投資信託及びETF、購入方法は積み立てに限定されます。




iDecoとNISAの共通点はどちらも、運用して得た利益を非課税とすることで、より資産形成を始めやすいように国が作った制度だということです。
どこの証券会社から始めたらよいのか分からない方や、具体的な始め方が分からない方はコチラで詳しく説明しています。
>>【簡単解説】iDeCoとNISAの違いは?おすすめの証券口座と始め方
Q①: つみたてNISAを利用するのがおススメな人は?
つみたてNISAは制度が改正され、2042年まで投資できるようになります。
投資できる期間の延長により、2023年までに始めれば年間40万円×20年間=800万円の非課税投資枠を利用できます。2024年以降に始めると利用できる非課税投資枠は1年ごとに40万円ずつ減っていきます。
対象商品は金融庁が定める条件を満たした「投資信託」や「ETF」(上場投資信託)のみなので、初心者でも安心して選べるようになっています。
つみたてNISAで資産を増やすには、とにかく1日でも早く始めて長く続けることです。最初から長期投資が目的なので、日々の値動きに一喜一憂する必要はありません。
早いうちにスタートしておくと将来に向けた「余裕資金」を無理なく作れることになりますよ。
Q②: 一般NISAの制度が新しく変わる!?どこが変わるの?
変更点①:期間が2024年から5年間延長され2028年までとなります。
現在、一般NISAで投資できる期間は2023年までとなっていますが、2024年から5年間延長され2028年までとなります。
変更点②:2階建てになり、年間の投資上限金額が変わります。
1階部分は「安定投資」を行う商品で年間20万円まで5年間非課税で投資できます。
2階部分は原則NISAと同じ商品で年間102万円まで5年間非課税で投資ができます。
「新NISA」で投資できる金額が1.2階を合わせると、年間122万円に。現状の一般NISAの投資額が年間120万円までなので、一般NISAよりも年間2万円、5年間で10万円多く投資できるということです。
非課税で投資できる金額も122万円×5年間=610万円となります。
変更店③:1階と2階で投資できる商品が変わります。
1階部分は「つみたてNISA」の対象商品と同様です。対象商品は投資信託・ETFの193本(2020年12月23日時点)いづれも金融庁の厳しい条件をクリアした商品に限られています。
2階部分は上場株式や投資信託に投資することができます。こちらは「一般NISA」の対象商品と同様です。
原則として、1階部分の投資をしないと2階部分の投資は出来ない決まりになるようです。ただし、これまでNISA口座を利用している人などは、申請することで2階部分の投資だけをすることも可能です(対象は上場株式のみ)
ただし、全体的に仕組みが分かりにくいなどの声が多く、岸田政権の「資産所得倍増プラン」で制度が変更される可能性もあります。
12月末に公表される税制改正大綱で、仮に、投資枠に拡大や制度の恒久化がきまれば使い勝手が格段に良くなりそうです。




現行の一般NISAを使って個別株の投資をしようかまよっているなら、税度がはっきりするまで待ってもよさそうです。
Q③: 結局のところiDecoとNISAどちらを選べばいい?
iDecoは老後を自身の希望に沿った暮らしにするための「私的年金」づくりに非常に有利な選択肢です。
①掛け金が全額所得控除される
②運用益は非課税
③受け取り時にも「退職所得控除」「公的年金等控除」が適用される
老後まで引き出せない環境で長期間積み立て投資をすれば、確実に老後資金は作れます。
NISAでは、一般NISAとつみたてNISAを同時に投資できません。
数年以内に使う予定のない「余剰資金」は、つみたてNISAにすることで、マイホームの頭金や大学の入学金などの資金を作るのにも有効です。
自身のライフスタイルに合わせたマネープランを考えてみてください。
まとめ


これからの時代は、自分で資産を増やしていくことが求められています。
そのために、国が簡単に始められる投資の制度を用意してくれているものが「iDeco」と「NISA」です。
最初は分からないことも多く、不安があるとおもいますが、まずは少しづつでも始めて見るとどういった仕組みなのかが分かってくると思います。
どこの証券会社から始めたらよいのか分からない方や、具体的な始め方が分からない方はコチラで詳しく説明しています。
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